2009/10/03

Les Paul

Guitarシリーズが続く…

お次はレスポール3兄弟。
まず上段がバーニー(フェルナンデス)のコピー・モデル、大学の時 友人から購入した。'70年代中期頃の物で型番は失念したが定価9万だったようである。この頃はフェンダーにしろギブソンにしろ、生産効率やコストダウンを最優先していた時代。 国産メーカーの安物コピー品の方がオリジナルに忠実で造りが丁寧、なんて笑えない現実があった。…本物を買えない金欠の貧乏大学生には有り難い事この上なかったのだが。

ギブソンがメイプル・多ピース・ネック、積層マホガニー・バックのボディだった時代、このバーニーはレスポールの王道、マホガニー・1ピース・ネック、メイプル・センター2ピース・トップ&マホガニー・1ピース・バックのボディ、タバコブラウンの塗装はニトロセルロース・ラッカーであった。またペグにはグローバーが奢られ、本家の1/4の価格とはとても思えないその内容は‘メイド・イン・ジャパン’の本領発揮と言ったところか。
* ヘッドに堂々と「Les Paul Model」と入っているのはご愛嬌。

中段は御茶ノ水ESPのハンドメイド・モデル、
「Navigator」ブランドの変り種レスポールである。
ESPは国産としては高額なハンドメイド・ギターばかり扱っていた為、
貧乏大学生には縁の無い存在であったが、
何を思ったか常連であったイシバシやクロサワを通り越し
靖国通りを渡ってしまった大学3年('83年)の夏だった。
初めて店内に入ると案の定、高額な値札のギターが所狭しと吊るされており
一桁のギターなんかありゃしない。
俺が来るには10年早い、速攻で店を出ようと思った矢先
奥にあるこの真っ赤なレスポールが目に飛び込んだ。
恐る恐る近づくと「なんだこりゃ!」レスポにアームが付いている、
それも当時アーム使いに大ブレーク中のフロイド・ローズばりのロック式。
第三者から見ると口をポカーンと開けて固まっていた‘にいちゃん’だったのであろう、
早速店員に発見され声をかけられた。
いやいや今日は目の保養に来ただけでこんな高額なギターは買えません。
と逃げようとしたが「大学生でしたら月々の分割で無理なく購入できますよ。」
との一言に欲しい病を発症してしまった。
オマケに実験的に作ったプロトタイプなので29万を23万に値引くと言う。
商売上手な店員に「とりあえず試奏しませんか?」と言われるがままこのギターを抱えた。
アンプに繋ぐと超絶パワーのピックアップにロッキング・アーム、
当時傾倒していたゲイリー・ムーアのあの音じゃん。
アーミングが必要な「パリの散歩道」インスト・ヴァージョンだって楽に弾けるじゃん。
(ゲイリーのライヴはストラトで‘パリ散’を弾いていたのだが)
人生初の‘ローン’を組んでしまった瞬間であった。

さて時代は10年程進む。
下段はギブソン・レスポール・カスタム、ようやく‘本物’の登場である。'86年製を中古で購入した。
とっくに社会人になってはいたが専門技術の修行に忙しく、大学卒業後ギターから遠ざかっていた。
自営を開始し同業者組合に加入するとそこには‘おじさんバンド’が存在していた。
履歴書の趣味欄に「ギター、バンド演奏」
と記入しているのを知ったバンド・メンバーが声をかけてきた。
ギターの大半を売却してしまっていたので慌てて購入したのがコレを所有するきっかけ。
購入時点でフレットの痛みがあったので原宿の松下工房でリフレットしてもらった。
ネットでアレコレ言われているのを目にした事があるが、良い仕事してますよ松下工房さんは。

'80年代のギブソンも歴史上評価好ましくないのだが、
一応構造は原点回帰に向かっており、'70年代のような‘変な’レスポールではないのが救い。
(カスタムのオリジナルはオール・マホガニー・ボディにP-480&P-90ピックアップなのだが)
また'90年以降に一部存在するの‘チーズ’構造ではない証拠が重量、4.6キロは重い。
この重さが若年の頃から腰痛持ちには耐えられず、
メイン・ギターに一度もなった事が無いのがレスポールである。

出音は好きなんだけどねぇ…